リノベーションとは、既存の建物を改造し、新しい付加価値をつけることを指します。なお、工事の規模は建物によって様々で、設備をちょっと付け足すだけの小規模なものから、建物を骨組みだけの状態にした上で、新築同様に仕上げ直す大規模なものまでと、非常に幅広いといえます。最近では、新築の家を建てるより、立地や周辺の住環境の良い中古住宅を購入し、このリノベーション工事を施すことで、理想の住まいを手に入れたいと考える人が増えてきました。というのも、何もないところに家を建てるよりは、費用がかからずに済むからです。
しかし、リノベーションを視野に入れた物件探しをするときには、注意するべきポイントがあります。それは、購入しようとしている物件が、再建築不可物件であるかどうかという点です。再建築不可物件とは、簡単に言うと「建て替えができない物件」ということです。日本には建築基準法という法律があり、すべての建物は、この法律に定められている「幅4メートルの道路に土地が2メートル以上接している土地でないと住宅が建てることができない」という条件を満たしている必要があります。
これを接道義務とよびますが、実際には、接道義務が定められる前に建築された建物の中には、条件を満たしていないものも数多く存在するのです。このため、この接道義務に違反している物件は、いったん取り壊してしまうと、この条件をクリアしない限り、その土地に建物を建ててはならないとされているのです。再建築不可物件は、その土地の相場よりかなり安く手に入れることができますが、手を加えることができる範囲が限定されてしまいますので、リノベーションには不向きといえます。
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