リノベーションもリフォームも、共に既存の建物に対して行われる工事である点では同じです。しかし、既存の建物の現状復帰作業であるリフォームとは異なって、リノベーションとは建物の大改築のことを意味します。現状復帰作業であるリフォームといってもわかりにくいでしょうが、これはつまり、築年数のたっている建物を、その新築時の状態にできるだけ復帰させるための工事、ということで、わかりやすく言えば「化粧直し」のための工事なのです。これに対して、リノベーションとは、その建物を取り壊して新築するのではないものの、その建物の骨格部分だけは残しながらも、その骨格に拠って支えられている外装部分も内装部分も、さらには上下水道やガスなどの配管や電気の配線などまでも含めて、全く新しいものに取り替えてしまう、という大規模な改築工事のことを指したものなのです。
このために、リノベーションを行えるのは、それに耐えうる骨格構造を有している建物に限られるために、実質的には鉄筋コンクリート造り(RC)の建物、ということになり、特殊なものを除いて通常の木造建築は除外される、ということになるでしょう。その耐用年数が数十年、という鉄筋コンクリート造りの建物であるからこそ、その骨格部分だけは維持しながらも、その外装も内装も大々的に改築して、さらには配管や配線などのインフラ設備も最新のものに取り替えてしまい、全く新しい建物のように造り替えてしまう、といった本格的な改築工事が可能になるのです。
コメントする